2024年10月04日

働いていなくても保育所に行ける。「こども誰でも通園制度」を0歳ベビーが体験!

あずける

0~2歳

新しくはじまる「こども誰でも通園制度」って?

 

国が2026年度から実施を目指して準備を進めている、「こども誰でも通園制度」をご存知ですか? 


これまで、保育所などに通園したり一時保育で預けるためには、保護者の就労や病気、介護といった「預ける理由」が必要でした。


今後この新しい制度がはじまれば、保護者に特別な理由がなくても、0歳6ヶ月〜2歳まで、誰でも保育所や認定こども園などの施設を利用することができるようになります!

 

その目的は、「子どもの豊かな成長を促す」こと。 


保護者の都合がメインではなく、子どもが集団生活や園での活動を経験できること、また保護者が自分の時間を確保したり、保育士との関わりを持つことによって、みんなで子どもの健やかな成長を支えましょう、というところがポイントです。

 

全国での本格実施に先立ち、ニーズや課題などの情報収集を行うためのモデル事業が各都市で実施されています。神戸市でも今年、各区2〜3箇所の園でモデル事業を実施しており、9月からは第Ⅱ期の利用者募集もスタートしています。

「だれつー」制度、こんなママ・パパにおすすめしたい!

 

「こども誰でも通園制度」、ちょっと長いので、親しみも込めて「誰通(だれつー)」と呼びますね。


私は神戸在住、8ヶ月の息子がおり、まだ保育園に入園していないので、今、まさにだれつー制度の対象者。ということで、息子とともにこのモデル事業を実際に体験してみることにしました!

 

いきなりですが、結論から!

こちらが、リアルに利用してみて私が感じた、だれつーの個人的推しポイントです。

 

①どんなきっかけで利用してもいい。え、めっちゃ気楽やん! 
保育所やこども園という場所、保育のプロである先生たちが、とっても身近な存在に感じる!

②6ヶ月からお願いできるって地味にすごいよね……? 
「一時保育」制度では預けられるのは1歳から。小さいうちは預けることも躊躇しがちだけど、そんなときこそ、とにかく誰かに頼りたい。

③続けて通うこともできるから、一緒に育ててくれてる感ひしひし 
だれつーは月に10時間まで利用可能。週に1回でも月に2回でも、続けて繋がっていられる場所があるという安心感。

たとえば、こんなママ・パパさんいませんか?

ケース1:2歳になったばかりの子がいる専業主婦(主夫)
歯医者さんや美容院に行きたいけれど、いつも予定を調整するのにひと苦労。
最近はこどものイヤイヤも大変で、保育のプロに相談してみたい。
幼稚園に向けて、おともだちとの関わりにも慣れさせてあげたいな。

ケース2:子どもは0歳8ヶ月。ただいま育休中&仕事復帰に向けて保活中
そろそろ自分の準備も進めたい。
離乳食の進め方も、寝かしつけの仕方もまだまだ手探りなので、アドバイスがもらえたら嬉しいなあ。
来年度の入園前に、園生活もちょっと試してみたい。

 

子育てで悩みがあったり、ちょっとだけ疲れていたり。 
日々成長する我が子に、新しいことを経験させてあげたかったり。 
そんな方にとって、きっと助かる制度じゃないかなと思います。

利用申請から先生との面談、はじめての登園当日までの流れ。

 

神戸市のホームページやチラシなどでモデル事業の対象施設をチェックし、希望の園が決まったら、直接利用申請をします。

 

今回は、兵庫区にある公立の保育所「松原保育所」にお世話になることにしました。

 

実際の利用の前に、まずは親子で面談があるので日程を決めます。これまで、家族や親しい人以外にはまだ預かってもらったことのない息子。


ドキドキしつつ電話をかけましたが、対応してくれた保育士さんの声はとても優しく、こちらの小さな質問にも快く答えてくださって、すぐに緊張がとけました。

 

 

面談の日。「どうぞどうぞ〜」と笑顔で迎えてくれた所長さん。


出生時の様子や、ふだんの生活リズム、離乳食の進み具合、アレルギーの有無など、細やかに話を聞きつつ、ナチュラルに息子を抱き上げてくださいました。


最近、人見知りがはじまってきたかな……と少し心配していましたが、さすが! というべきか、息子は泣き出すこともなく、安心したようにくっついています。

着替えやマグを詰めた重いバッグをかつぎ、抱っこ紐でここまでやって来たわたしは、からだはもちろん、心までふっと軽くなったようでした。

 

こちらの園では現在、「午前中2.5時間」、または「午後2.5時間」、あるいはお昼を挟んだ「午前午後5時間」というパターンで利用ができます。

11月から始まる第Ⅱ期では、9時30分から16時の間で、希望に応じて1〜5時間の利用ができるようになります。

だれつーでは月に10時間まで利用することができるので、この園では週に1度、2.5時間ずつ利用する方が多いとのこと。300円/1時間の保育料に、給食費を足した額が利用料となります。

 

この日、私が質問・相談したのはこんなこと。

私:完全母乳で、預ける場合は搾乳を渡しています。あまり離乳食も進んでいないのですが…… 
所長さん:2.5時間利用の場合は、午前はお昼ごはんに離乳食、午後はおやつを食べます。搾乳やミルクを持ってきてもらってもいいですが、短時間ならなくても大丈夫だと思います。
私:まだ朝寝も昼寝もしています。時間も日によってばらばらなので、他のみんなのお昼寝の時間と合わないかも…… 
所長さん:月齢の小さい子はまだお昼寝の時間がみんなと一緒じゃないのが当然です。その日のその子の様子で対応するので大丈夫ですよ。
私:人見知りや場見知りで、すっごく泣いて先生たちを困らせないかと心配です! 
所長さん:私たちにとっては、まだ慣れていないはじめての様子も新鮮で可愛い。だんだんと成長していく姿を見ることができるのも嬉しいんですよ。

 

 

そんな温かい言葉をもらって安心したあと、園の中を少し案内してもらいました。

おいしそうな手作りのお昼ごはんや、園庭で走り回る園児たちの姿。お部屋の前を通るたび、少し大きなおねえちゃん、おにいちゃんたちが「赤ちゃんや〜!」と寄ってきてくれたり、先生たちが変わるががわる抱っこしてくれたり。


こうした異年齢の関わりがあるのも保育所ならではの魅力です。

8ヶ月ベビーがモデル事業をリアルに体験!保育所が、もっと開かれた、みんなの居場所に。

 

はじめての利用日がやってきました。

今回は、お昼ごはんの時間も含めた「9時30分から12時の2.5時間」の利用を申し込んでいます。

持ちものには記名して、小さなトートバッグにまとめました。

この日用意したものは、

おむつ数枚
・着替え・スタイ
・おむつ用ビニール袋
・汚れ物用レジ袋おしりふき
・お食事用エプロン

 

 

園に着いたら、面談時に聞いていたお部屋に入ります。
先生たちが、名前を呼んで「待ってたよ〜」と出迎えてくれました。
朝食、排便、体温など、朝の様子を記入。


お昼ごはんのメニューと材料を一緒に確認し、アレルギーなど問題がないことをチェック。
その日の利用料は最初に渡します。 

きょとんとした表情の息子を先生に任せて、そっとお部屋を出ます。
ぎゃー、やっぱり泣き出した! でも、余裕の先生はひょいと息子を抱き上げてニコニコ。


泣き声を背中に受けつつ…… あとはお願いします、先生!きっと最初は涙もたくさん出るだろうけど、新しくて楽しいことがいっぱい待っているはず!

 

 

今だとばかりに溜まっていた用事をあれこれ片付け、いざお迎えの時間。
今回は取材でもあるので、カメラだけ少し早めに入ってもらい、お昼ごはんタイムをこっそり撮影……と、こっち見てますね!

 

ふだんは遊んだりおっぱいを欲しがったりして、そこまで離乳食が進まず不安もあった息子ですが、あとで聞くと「人参もお皿の半分食べましたよ〜」とのこと。
やったー、食べる力はあるんだね! 


泣いたり泣き止んだりしながらも、いろんなおもちゃに興味津々だったこと、大きいおともだちの運動会の練習をじっと見ていたことなど、お迎え時には、先生がその日の様子をお話ししてくださいました。先生から聞く息子の様子は、私にとっても新鮮です。


次回の利用日を決めて、先生たちとバイバイです。

 

 

親が子どものことを何もかも知っているよりも、親も知らない子どもの姿を、ちゃんと知ってくれている他の誰かがいるということ。
私には3人の子どもがいますが、このことは、子育てにおいてとても大事なことであるように思います。 

 

ママやパパがひとりで全部しょいこむのではなく、まちのみんなの中で、子どもたちが大きくなっていく。
「こども誰でも通園制度」は、そんな自然で温かい、地域ぐるみの子育てを支える一端を担ってくれるのではないでしょうか。

 


 

 

松原保育所 所長 喜瀬さん
子育てのひとつの見本、よりどころとなれたら

この制度を利用してもらうことで、保育所などが、よりよい子育てのヒントや力になれるのではないかと思っています。
最近は保護者の方がお子さんといつもふたりっきりという状況が多かったり、子育てについて学ぶ機会が少なくなっていたりしますよね。
そんなときに、継続して一緒に成長を見守ってくれる、安心できる場所がある、そして子育ての見本になったり、いつでも相談できる場所があるというところに、この制度の意義があるのでしょう。
子育てに不安がある方にとって、信頼できるパートナーのような存在になれたらいいなと思っています。

「こども誰でも通園制度」の詳細 (外部リンク)

松原保育所