手が足りないとき、ちょっとひと息つきたいとき、子どものお世話を気軽に頼める親や親戚のような人が近くにいたらいいのだけど……。そんな子育て中のお父さん・お母さんにぜひ利用していただきたいのが、神戸市ファミリー・サポート・センター（通称：ファミサポ）です。
子育ての応援を受けたい人は「依頼会員」として登録しておくと、必要なときに、近くに住む「協力会員（応援したい人）」を紹介してもらって、サポートを受けることができます。なかには、困っているときは助けてもらって、自分が手を貸せるときはお手伝いしたいと、両方の会員になっている人も。
「一時的に手を貸してもらえるのは本当に助かる」（依頼会員）、「困っているかたのお役に立てたら、こちらもうれしい」（協力会員）と、あたたかな地域の助け合い活動として機能しています。

依頼会員のTさんと協力会員のKさんの場合

わが家にはもう一人、8歳の娘がいます。主人が単身赴任をしていたとき、私一人で娘2人の世話をするのがどうしても大変で、ファミサポの依頼会員になりました。
私も仕事をしているので、Kさんには主に、帰りが遅くなる日の下の子の幼稚園のお迎えをお願いしています。そのあとKさんのご自宅で預かってもらうのですが、家では準備や片付けが大変で避けがちな絵の具でのお絵描き、ジェンガなどのおもちゃで遊ばせてもらえることが、娘にとってはうれしいみたいです。楽しそうにしているので、私も安心して仕事に集中できます。仕事帰りに迎えに行って、すぐに帰れる近さもありがたいですね。
Kさんの娘さんやお孫さんとも家族ぐるみで仲良くしていただいていて、まるで親戚が増えたような感覚です

今の親御さんたちは、仕事も子育ても本当によくがんばっていらっしゃると思います。そんな若いかたたちの手助けが少しでもできたらと、2年前に協力会員になりました。お子さんと接するときは、おしゃべりが好きな子なら話を聞いたり、大人としゃべるのが苦手な子には無理に話しかけないようにしたり、その子のペースに合わせることを大事にしています。子どもはみんなかわいくて、いつもこちらのほうが癒されているんですよ。
Tさんは、私が初めて担当したご家族。娘さんが成長していく姿を、一緒に見て楽しませていただいています。うちも孫が生まれて、娘がもうすぐ復職するので、孫を預かるときの予行演習にもなっています。

依頼会員のUさんと協力会員の金澤さんの場合

妻と私、6歳の娘と4歳の息子の4人家族です。私たちの親は離れて暮らしているので、近くに頼れる人がいなくて、ファミサポを利用することにしました。
金澤さんとはもう4年のお付き合いで、子どもたちもすっかりなついています。保育施設のお迎えなど、私たちの手が回らないときの手助けだけでなく、子どもたちの希望で夏休みに数時間、2人を預かってもらったりと、本当に身内のような存在。この前は「一緒に焼きそばをつくった！」と、息子がうれしそうに報告してくれました。
私たちも金澤さんの子どもへの接し方を見て勉強になることが多く、妻は育児の先輩としていろいろ話を聞いてもらったりと、気持ちの面でもサポートになっているようです。近所に頼れる人がいるのは心強いですし、家族を安心してお任せできます。

協力会員になって、早10年が経ちました。預けていただくからには、子どもたちに楽しく過ごしてもらえるよう心がけています。近所で会うと手を振ってくれたり、Uさんのお子さんも七五三や入学式のときにおめかしした姿を見せにきてくれたり……そんな風に親しく接してもらえることが、私の喜びになっています。
ファミサポはご両親のサポートでもあるので、お母さんやお父さんの気持ちを少しでもらくにするお手伝いができていたら、うれしいです。私自身、自分の子育てのときとは違って、時間にも気持ちにも余裕をもってお子さんに接することができるので、新鮮な経験をさせてもらっています。