2023年11月17日

家事や育児をゆだねて「自分をらくにする時間」にしてもいい【産前産後ホームヘルプサービス】

手当・助成・支援サービス

妊娠・出産

0~2歳

ヘルパーとお母さんが子供を見守っている写真

利用者さん宅のインターホンを押すと、ドアが開いて赤ちゃんを抱っこしたお母さんと、奥には2歳の男の子も。「この子、朝から楽しみにしていたんですよ」と笑顔のお母さん。ヘルパーさんは部屋に入ると、男の子に「今日は何して遊ぶ?」とにっこり問いかけます———

このように、妊娠中や産後間もなく体調がしんどい時期に、昼間手伝いをしてくれる人がいないご家庭へ神戸市の契約事業者からヘルパーを派遣し、家事や育児などの支援をするのが「産前産後ホームヘルプサービス」です。産後は体力が落ちているなか、赤ちゃんのお世話もあって大変。「家に入ってもらうのがちょっと……」という方でも一度利用すると「手伝ってもらってよかった」と実感し、上限回数まで繰り返し利用されることが多いそう。

玄関でヘルパーを迎えるお母さんと赤ちゃんの写真
区役所での手続き時に初回日程を決めれば、あとはヘルパーさんと日程調整ができる
笑顔でコミュニケーションをとる子供とヘルパーの写真
回数を重ねるとお子さんもヘルパーさんにすっかり慣れて、楽しそうな笑い声が
赤ちゃんをベッドの上であやすお母さんの写真
上のお子さんが遊んでいる間に、お母さんはゆったりと赤ちゃんのお世話を
レールをつないで電車のおもちゃで遊ぶ子供とヘルパーの写真
「こうしてみたらどうかなぁ」レールをつなぎ直して何度も電車を走らせてみる

【利用者の声】親子ともに、気持ちをしっかり受けとめてもらっています

赤ちゃんをあやしている女性の写真

Aさん(お子さんの年齢:2歳、0歳4ヵ月)

出産後は「誰かの助け」が必要でした

夫婦ともに実家が近くになく、親が仕事をしていることもあって、出産後は家族に頼らず夫婦二人で育児できる方法を考えていました。区役所で妊娠届を出し、母子健康手帳をもらったときに産前産後ホームヘルプサービスの案内があったので、「助けてもらおう」と思って利用することに。上の長男のときは産後の傷の痛みもひどく、座るのも寝ているのもつらい状況。そんななかでヘルパーさんにごはんを作ってもらったり、掃除してもらったり、子どもの世話もお願いして本当に助かりました。下の長女のときは、産前から来てもらっています。

産前産後に、上の子どもの“遊び相手”をできないことがつらかった

長男のときは、日によって家事の内容などお願いすることも変えていましたが、長女のときは産前からずっと長男の保育をお願いしています。2度目の産前産後は特に「一緒に遊びたい」「抱っこしてほしい」という長男の欲求を受けとめられないことも多くて。ヘルパーさんにマンツーマンでしっかり遊んでもらえることで、長男も気持ちが安定するようです。

電車のおもちゃでヘルパーと遊んでいる子供の写真
子供が遊んでいる中で見せた笑顔の写真

子どもたちが大好き。だからこそ“元気な自分”で子どもたちに向き合いたい

ヘルパーさんに来てもらっている間は、あえて別室でゆっくりしています。長女が寝ているときは「体を休めることが一番」と思って本気で寝ることも。子どもたちが本当にかわいくて大好き。だけど夫は仕事で帰りが遅い日もあり、気持ちに余裕がないときは、「離れたい」とか、トイレに逃げ込んで「今は声も聞きたくない」と思うことも。だからこの2時間はフルで「自分の世界に入りこむ」ために、お香を焚いて香りを楽しんだり、音楽を聴いたり、好きなことをします。

ヘルパーさんの「ありのままで大丈夫」の気持ちが伝わってきたんです

最初は、家のなかも片付いていないし、自分はメイクもしておらず、何なら寝間着で「お願いします」という感じで、そこが恥ずかしかった(笑)。でもヘルパーさんは、いつも私が気を遣わないように、らくに過ごせるように動いてくださって、「ありのままで大丈夫」ということが伝わってきたんです。だから「あ、この2時間が終わったあとに、私が元気になっていることが一番なんだ」と思えるようになりました。

イヤホンを、耳をふさがない形でセットするお母さんの写真
何かあったら聞こえるように、耳をふさがず音を楽しめるイヤホンで好きな音楽を
赤ちゃんをあやしながら椅子に座り、スマートフォンを片手に休憩しているお母さんの写真
大切なリラックスタイム、このあと少し休むために別室へ

【スタッフの声】産前産後のいろんなしんどさ、大変さがわかるから(ホームヘルパー 大門さん)

大門さんの写真

ホームヘルパー 大門さん

保育をしているときは、お子さんの様子をよく見て、例えば「こんな遊びができた」「こういうこと話した」など、気付いたことを必ずお母さんに伝えるようにしています。するとお母さんからも、「最近これができるようになった」など教えてもらえて、お子さんが日々成長する喜びを共有できるように。
私自身も双子を出産し、ヘルパーさんに助けてもらった経験もあり、そのときのしんどさ、大変さは本当によくわかります。いろんなことに不安を抱えておられるお母さんも多いですが、みなさんお子さんへの愛情はたっぷり持っておられます。それだけで大丈夫だから、「今は自分の体を大事にしてね」と伝えています。

床にしゃがみこみ、ミニカーやおもちゃを手に遊んでいる子供の写真
遊びのなかでも「こんなこと思いつくんだ」と日々発見があるそう
遊んでいる子供を見守りながら雑談をするヘルパーとお母さんの写真
「今朝もおむつかえるのやだっていうんです」「あらら、そうなんだ」とおしゃべりも

———「お子さんのことが最優先、もちろんそんな場面もありますが、日々の子育ては、まずお母さんが元気でいること。それはお子さんのためにもなります」とヘルパーの大門さん。その想いが感じられるから、利用されるお母さんたちは「心身を休めること」に全力で向き合えるのかもしれません。

子供とヘルパーが遊んでいる写真
子供が床に並べたおもちゃの写真

産前産後ホームヘルプサービス

利用期間

産前…妊娠中(母子健康手帳取得後)、産後…産後2年以内

対象

体調不良などのため家事や育児が難しく、昼間、周囲の方のサポートを得ることができず、妊婦や産後のお母さん、またはお父さん等(養育者)と赤ちゃんだけになってしまうご家庭

利用回数など

産前10回、産後20回まで。1回につき連続2時間以内で、1日1回。ただし、外出を伴うサービス利用の場合は、1日連続2回(4時間)まで可能
※多胎児(ふたごやみつご)向けのサービスもあります。

利用時間

月曜~土曜(祝日を除く)の9時から18時まで  ※年末年始は除く

申請

対象となる方ご本人がe-KOBE(オンライン)で申請

利用料

1回あたり(連続2時間以内)1,600円
※市県民税が非課税の世帯や、生活保護を受給中の世帯は、無料。
※利用日前日の17時までに連絡なくキャンセルされた場合はキャンセル料800円が必要

ホームページ

神戸市:産前産後ホームヘルプサービス (kobe.lg.jp)

神戸市:多胎児家庭ホームヘルプサービス事業 (kobe.lg.jp) (外部リンク)

※ふたご・みつごをご出産された方は、多胎児家庭ホームヘルプサービスをご利用ください。

神戸市:産後ケア事業(宿泊・通所) (kobe.lg.jp) (外部リンク)