2024年10月18日
【子育てのヒント】子どもが育つこと「安心と挑戦の循環」について(0~6歳向け)
こども家庭庁の「はじめの100か月の育ちビジョン」には、「安心と挑戦の循環」という言葉が出てきます。
不安な時、苦しい時に必ず助けてくれる、どんな時でも味方でいてくれる大人の存在があるから、子どもたちはちょっと勇気がいることにも思い切って挑戦し、また不安になったら、大好きな大人の下に帰り、気持ちを立て直して再び挑戦する、この循環が大切だということです。
つい先日、2歳児クラスで見た光景です。ちょっとイライラしているAちゃんが、みんなで使う玩具を急に抱えて独り占めしてしまいました。その正面にいたBちゃん、ちょっと泣きそうな表情になったのですが、気持ちを立て直して一生懸命Aちゃんに話しかけています。作り笑顔で説得を試みているBちゃんの手は、そばで見守っている保育士の手をしっかり握っていました。
生まれてまだ3年足らず、突然おもちゃを独り占めされ、相手にも思いがあって簡単には譲ってもらえない、その状況で、信頼している大人の手を握ることで、勇気を奮って一生懸命交渉している姿は、たくましくも見えました。
子どもが集団で経験するいろいろな理不尽や痛みを、大人がかばって、すべてないことにすることはできません。少し痛くても、自分で経験してこそ、人と関わる力を本当に身につけることができるのです。大人である私たちの役割は、子どもたちが求める時「それでいいよ」と手を繋いで、勇気を持って前に進む力を与えることなのだとしみじみ感じました。