2023年11月01日

子供を観察する

相談する

0~2歳

3~5歳

小学生

中高生

井窪薫先生の紹介画像

 精神科の診察において、患者さんの話を聞くことも大事ですが、患者さんを見るということも凄く大事です。ただ単に見るというよりも、観察するようなイメージです。例えば、診察室に入る雰囲気や服装、表情、話す仕草などから、最近、この患者さんがどういう生活を送ってきたのかをイメージします。診察時間は限られているので、それらの情報をもとに、今後の対策や処方などを組み立ていきます。

 実は、子育てでも同じような事が言えると思っています。子供を見る、観察することによって得られる情報には、子育てのヒントが沢山詰まっています。最近、よく目にするモンテッソーリ教育でも、子供を観察することはとても重要だと言われています。案外、どんな育児書に書かれている内容よりも大切なことを、子供が教えてくれるものです。

 前回のコラムにも書かせて頂いたように、自分の子供の説明書を作る為には、子供の話している表情や行動パターンなどを観察するということが必要です。

 観察することによって、日々の変化やその子が何を伝えようとしているか、その子の大事にしているもの、伝えたい事が浮かび上がってきます。それらを一つ一つ大事に受け止めて、答えてあげることで、本人の自己肯定感を高めることができます。

 自己肯定感をしっかり築き上げることで、ちょっとした困難も乗り越えることができ、失敗にも強くなります。成長の大事な土台を作ってあげるのが、乳幼児期における親の役割の一つだと思っています。日々の子育ての中で少し意識してみてもらえたら嬉しいです。


※旧子育て応援サイト 2022年11月11日掲載分

井窪薫先生がお子さんと笑顔で映っている写真

井窪 薫 先生

(精神科医・4児の母)

精神保健指定医、産業医。4歳、2歳、1歳、0歳を子育て中。長女の子育て中に大学院に通い、医学博士、精神科専門医を習得。現在は兵庫県内で企業の産業医をしながら、精神科医の子育てアドバイスなどのセミナーも行っている。

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