2023年11月01日

きれいな歯並びのためにできること

相談する

0~2歳

3~5歳

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 今はマスクを装着することが多く、口元に注目される機会は少なくなっていますが、口元の印象は顔全体の印象に大きく影響します。きれいな歯並びは憧れますよね。お子さんの歯並びについて、気になっている方もおられるのではないでしょうか。
 歯並びは、遺伝の影響もあります。顎の大きさ、歯の大きさ、舌の位置などが遺伝することで、結果的に親子で歯並びが似てきます。
 また、無意識にとっている姿勢で、歯列のアーチが乱れ歯並びに影響することがあります。これは、大人にも子どもにも共通します。

 日頃の生活の中で、知らないうちに歯並びに影響する「姿勢」や「癖」をしていませんか?よく次のような「姿勢」や「癖」をしている場合は、注意が必要です。

  • 爪をかむ、指しゃぶりをする(以前していた)
  • 唇を巻き込んだり、舐めたり、かむ
  • 鉛筆などをかむ
  • 片側ばかりでものをかむ
  • 食べ物をよくかまずに飲み込む
  • 頬杖をつく
  • 寝転んで本を読む
  • ひざの上にあごを乗せてゲームをする

 歯や骨は、ささいな力でも一定方向に力が加わると、動いたり変形したりします。無意識にしている癖も、一日に何十回も繰り返すと、歯並びを悪くする原因になることがあります。寝転んで本を読んだり、ひざの上にあごを乗せる姿勢をしたりしていると、頭の重さにより強い力が加わり、歯並びが乱れる可能性が高くなります。

 子どもの歯並びが気になる場合はどうすればよいのでしょうか?
 一番いい方法は、かかりつけ歯科医をもって定期的に診てもらうことです。具体的には、3歳頃までにかかりつけ医をもつことが望ましいです。歯並びの変化に早く気づいて、相談ができたり、タイミングを逃さずに矯正治療が開始できたりするなど、様々なメリットがあります。

 歯並びやかみ合わせが悪いと、でこぼこの部分の歯みがきが難しいためむし歯ができやすくなったり、食べ物がうまくかめずに栄養が偏ったりするなど、体の健康にも様々な影響を及ぼします。歯並びが心配な場合は、歯科医を受診し、専門家の先生に定期的に診てもらうと安心ですね。


※旧子育て応援サイト 2022年12月23日掲載分

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渡辺 雅子 先生

(歯科医師・健康局保健所保健課 口腔保健支援センター長)

日本口腔衛生学会専門医、医学博士。2002年度より、神戸市保健所の行政歯科医師として、妊婦、乳幼児から高齢者まで全年代の歯科口腔保健を推進している。就学前のこどもでは、乳幼児健診や保育所(園)等でのフッ化物洗口などに携わる。こどもの歯と口の健康づくりについて、コラムを執筆予定。

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