2023年11月01日
言葉で伝えるコミュニケーション
大人と違い子供は空気が読めません。
私は幼児を4人(そのうち3人が年子)育てているので、忙しくて自分の余裕がない時には、『空気を読んでくれたら、もっと楽なのに』なんて思う事も沢山あります。ただ、そう思いながらも、『自分の思い通りに空気を読まれすぎるとちょっと怖いな』、『子供の自然な姿ではないんだろうな』と考え直したりします。
最近は、空気を読みすぎて、疲れている子も増えています。知らないうちに大人の願望をくみ取り過ぎている子も多いのではないかと考えています。空気を読む事を過剰に意識すると、自分の存在や自分のしたい事などが分からなくなってしまいます。子供の心は成長過程にあるので、子供が自然に自分を表現出来るように、過剰な圧を加えず、時には子供の様子を注意して観察するなど、大人達が意識する事が大事だと思っています。
また、空気が読めるのは小学校高学年くらいと言われますが、逆にそれまでは言葉で伝えないと上手く伝わらないということです。特に『あなたの事を大事に思っているよ』という雰囲気を伝えるのはなかなか難しいですよね。また、自分が子供をいかに大好きだと思っていても、『大好き』とか『愛しているよ』ってなかなか口に出すのは恥ずかしい。もちろん、日々の暮らしの中で、『怒られたけど、ご飯の時には呼んでくれた』とか『リクエスト通りのご飯を作ってくれた』など、自分の事を大事に思っていることは子供達もわかっていると思います。幼児であれば、『ぎゅっとする』などのスキンシップも効果的だと思います。でも、言葉で伝える瞬間があれば、もっと親子で通じ合えるものがあるのではと思います。
私も典型的な日本人なので、なかなか子供に『好きだよ、愛しているよ』って言えないタイプです。でも、今年は少し意識して口に出してみようと思っています。
2023年も子供たちの自然な笑顔に沢山会えますように。
※旧子育て応援サイト 2023年1月27日掲載分
井窪 薫 先生
(精神科医・4児の母)
精神保健指定医、産業医。4歳、2歳、1歳、0歳を子育て中。長女の子育て中に大学院に通い、医学博士、精神科専門医を習得。現在は兵庫県内で企業の産業医をしながら、精神科医の子育てアドバイスなどのセミナーも行っている。