2023年11月01日

悩みながらの子育て

相談する

0~2歳

3~5歳

井窪薫先生の紹介画像

 令和4年度のリレーコラムは、今回で最終回となります。コラムがスタートしてからこれまでの2年の間に、我が家の子供達も成長し、『あれ?いつの間にこんな風に喋るようになったかな?』なんて驚く事の連続です。成長すればする程、私の知らない世界で学んでいたりして、こうやって少しずつ自立していくんだな、と思うと逞しくもあり、寂しくもあり、親の心も春の天気の様に気難しいものですね。

 一生のうち、親子が一緒に過ごせる時間は、睡眠時間を抜いて計算すると、およそ9年間だそうです。思っている以上に短い事に驚きます。それと共に、日々悩んだりしながら子育てしている事が、とても意味がある様に思えます。

 最初のコラムは、コロナ禍で緊急事態宣言の真っ最中でした。その時のコラムは、今出来ないことに目を向けるのではなく、出来る事を考えようという内容で、長女の自転車練習の事にも触れながら書かせて頂きました。

 そんな事を思い出しながら、子育てって自転車に乗る練習に似ていると思いました。出来ない自分と、それを認めたくないプライドとの間で葛藤したり、アドバイスをすんなり受け取れなかったりと、なかなか複雑な思いで練習しています。
 でも、ふと手ごたえを感じる瞬間に自信がついたり、どの練習が良かったか分からないけど、すっと出来ていたり。逆にコツさえつかんでしまったら、後はすんなり出来ることも。「喉元過ぎると熱さを忘れる」ように、後から「なんで悩んでたのかな?」なんて思ったりもします。

 日々の積み重ねである親子関係は、今後、子供が生きていくための土台となる部分です。大変な時は、自転車の練習みたいに色々な方法でやってみたり、誰かに相談したり頼ったりしながら、是非、最後には楽しんで過ごす事を目標にしてもらえたらいいな、と思います。

 私も、日々子育てに悩みながら、私なんかがこのコラムを書いていていいのか?と悩んだ時期もあります。でも、結局、心のケアを専門にしている精神科医だって、子育てに悩んでいるという事がみんなの励みになればいいなと思い、執筆を続けて来ました。コラムを読んでいただいている皆さんに、そんな思いが届いていれば嬉しいです。

 皆様と共にママフレコラムも成長させて頂きました。本当に嬉しく思います。今年度も1年間、お付き合い頂き有難うございました。


※旧子育て応援サイト 2023年3月24日掲載分

井窪薫先生がお子さんと笑顔で映っている写真

井窪 薫 先生

(精神科医・4児の母)

精神保健指定医、産業医。4歳、2歳、1歳、0歳を子育て中。長女の子育て中に大学院に通い、医学博士、精神科専門医を習得。現在は兵庫県内で企業の産業医をしながら、精神科医の子育てアドバイスなどのセミナーも行っている。

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