2023年11月01日

神戸市の療育センターってどんなところ?

健診・予防接種

相談する

0~2歳

3~5歳

発達や障がい

加藤威先生の紹介画像

 今年度のリレーコラムを担当させていただきます加藤です。自己紹介の代わりに、今回は私の職場を紹介させていただきます。

 みなさんは「療育センター」というところをご存知でしょうか?
 そもそも“療育って何?”と思われる方もいらっしゃるのではないでしょうか。

 神戸市内には、総合療育センター(長田区)・東部療育センター(東灘区)・西部療育センター(垂水区)の3つの療育センターがあります。
 “療育”という言葉は、肢体不自由児だけでなく、全ての障害児・発達の気になるお子さんに対して治療をしながら保育(教育)をするという意味合いがあり、神戸市の療育センターでは、医療機関である「診療所」と、障害児や発達に課題のあるお子さんが通う通園施設である「児童発達支援センター」をそれぞれ運営しています。

 「診療所」では、お子さんのことば(発語・発話)や理解の遅れ, かんしゃくやパニック, 保育所(園)・幼稚園で落ち着きがないなどの発達面の気がかりのほか、運動面の遅れや病気による麻痺などの手足の不自由といった身体のことなどについて、お子さんの発達の特性をみながら診療しています。
 医療スタッフは、小児科医と看護師の他に、ケースワーカー, 臨床心理士, 理学療法士, 作業療法士, 言語聴覚士など、様々な職種が在籍しています。
 まずはケースワーカーが保護者と面接し、心理士がお子さんの発達検査を行います。その後、医師が診察し、必要なお子さんにはリハビリを行っています。

 「児童発達支援センター」は、乳幼児健診などで療育的な支援が必要と判断され、福祉サービスの利用手続きを行ったお子さんが通う、専門的な保育所(園)・幼稚園のようなところです。日常生活を過ごす上で必要な基本的動作の訓練や知識・技能の習得、集団生活への適応訓練などを行っています。
 この児童発達支援センターでは、経験豊富な保育士や指導員が一人一人のお子さんに対してきめ細かな保育を提供するよう取り組んでいます。
 園児たちも、日々の集団生活を通じて、生活する力や基本的な生活習慣・社会性を学んでいます。

 これら診療所と児童発達支援センターは、どちらか片方のみ利用されている方、両方利用されている方とさまざまです。「療育センターに相談してみようかな…」、「療育センターに相談してみたらどうかと勧められた…」といった場合には、各療育センターへお問い合わせください。その際には、診療所と児童発達支援センターどちらへのご相談なのかをお伝えいただくとスムーズです。

療育センター (外部リンク)



※旧子育て応援サイト 2023年7月14日掲載分

加藤威先生の写真

加藤 威 先生

(小児科医・神戸市西部療育センター診療所長)

2015年の西部療育センター開設当初より、同センター診療所の小児科医として、子どもの障害の早期発見・早期療育を目指し、診察やリハビリテーションに携わる。神戸市の相談支援, 療育体制などについてコラムを執筆予定。

加藤 威先生のバックナンバーはこちら

専門家コラムのバックナンバーはこちら