2023年11月01日

どこの国でも子育てに悩みは尽きない

手当・助成・支援サービス

0~2歳

3~5歳

井窪薫先生の紹介画像

 今年も引き続きコラムを書かせて頂くことになりました井窪 薫です。私事ですが、6月より子供4人を連れて渡米しました。来年には帰国するものの、未就学児4人分の荷物はとても多く、まさにゲルマン民族の大移動のようでした。
 今でやっと1か月が過ぎ、このコラムを書いています。せっかく今、海外にいるので、コラムではアメリカと日本の子育ての違い、共通点などを書いていけたらいいなと思っています。

 さて、今まで4人の子育てを神戸で行ったので、神戸市の子育て支援のサービスは熟知しており、使える支援は全て使ったという感じですが、アメリカでは、まだ使える子育て支援サービスに出会えず、苦戦しています。
 アメリカには児童館がないので、みんながどこで子育て情報を得ているのか不思議に思っています。私自身がそういう場所で情報を得て子育てをしていたので、そういう場がないと、子育ての不安、悩み事をどういう風に解消出来るのかわかりませんが、もしかしたら人と比較して悩むという事は少ないのかもしれません。

 自分自身もよく「他のお母さんと比べたら全然上手く子育てが出来てない気がする」という思いに落ち込んでいましたが、そのような風潮はなく、個性を大事にする国ゆえ、みんなで個性を認め合いながら過ごしているように見えます。
 確かに子育ては教科書通りに行うものではなく、基本をおさえていれば、どんなアレンジをしたっていいのだと、最近よく思います。アメリカの公園では、子供を見ながらトレーニングウェアを着て運動しているお母さんや、ベビーカーを押しながら走っているお母さんもいて、子育ての「こうでないといけない」という考えを改めて考え直す感じです。子供が元気に笑っていれば何も心配はいらない、とも気づかされます。

 でも、公園でお母さん達と話すとやはり子供の悩み話は多く、どこの国でも子育てに悩み事は尽きないなぁと共感します。悩みも人それぞれ、もちろん年齢によっても悩みは変化しますが、「子供は可愛いけど、自分の時間が欲しい」というのは万国共通に感じます。

 渡米後に、より一層、日本の子育て支援は充実していると感じました。前回までのコラムにあったように、神戸市では産前産後ホームヘルプサービスや産後ケア事業、KOBE栄養相談ダイヤルなど、使える支援はたくさんあります。是非、それらのサービスを利用して、いろんな人に頼って、いろんな人を巻き込んで、自分らしく子育てしてもらえたらと思います。私もアメリカで自分らしく子育てしたいと思います。

(参考)

児童館 (外部リンク)

産前産後ホームヘルプサービス (外部リンク)

産後ケア事業(宿泊・通所) (外部リンク)

訪問型産後ケア事業 (外部リンク)

栄養相談ダイヤル (外部リンク)



※旧子育て応援サイト 2023年7月28日掲載分

井窪薫先生がお子さんと笑顔で映っている写真

井窪 薫 先生

(精神科医・4児の母)

精神保健指定医。6歳、3歳、2歳、1歳を子育て中。長女の子育て中に大学院に通い、医学博士、精神科専門医を習得。現在はアメリカで児童精神医学を勉強中。

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