2023年11月24日
子どもの行動の「良い面」に注目する
こんにちは。秋もすっかり深まり、寒さ対策が必要になってきましたね。
これから冬に向かい、温かい食べ物がおいしい季節で、イベントも多くて楽しみという人も多いと思いますが、反対に、寒くて風邪などをひきやすかったり、洗濯ものが乾きにくかったりするのがちょっと・・・と思うこともありますよね。
どんな物事でも、自分が「良い」と思う面と、「良くない」と思う面があるのではないでしょうか。
特に子どもの行動を見るときは、「良くない」ことのように思えても、できるだけ、先に「良い」と思う面を口に出してあげてほしいと思います。
例えば、次のような場面をイメージしてください
①食事のときにはしゃいでいた子どもが、飲み物の入ったコップを倒してしまい、テーブルや床に飲み物がこぼれた。子どもはテーブルにこぼれた飲み物を広げるように手を動かした。
②子どもが嫌いな野菜を食べられるように小さく切ってシチュ―に入れ、子どもに出した。子どもはスプーンで一旦口の中に入れた後、野菜に気づいて吐き出した。
どちらも、思わず子どもを叱ってしまう場面に思えますが、次のように考えることもできます。
①の場合、子どもは飲み物をこぼしたことを「良くない」と思って、こぼれた飲み物を「拭く」つもりで手を動かした。
②の場合、子どもは嫌いな野菜をがんばって食べようとしたけれど、口に入れてから味が気になって吐き出した。
このように考えると、子どもに対して次のように声をかけることもできます。
①の場合、「●●ちゃん、自分でこぼした飲み物を拭こうとしてくれたんだね、ありがとう。でも、次からはこぼさないように気を付けようね」
②の場合、「●●ちゃん、嫌いな野菜を食べようとしてがんばったんだね。今日は口に入れることができたから、次はよく噛んで飲み込めるようにがんばろうね」
もちろん、その場の状況や子どもの年齢、発達の程度などで、その時に必要な声かけや行動は変わるので、これはあくまで一つの例です。実際に①や②のようなことが起きたときは、大人の方も焦ってしまって、とっさに叱る言葉が出てしまうのも無理はありません。毎回は難しくても、日頃から意識して続けていくことで、大人にとっても「良いことを先に言う」ことが自然に身についていくと思います。頭ごなしに「ダメ、何してるの」と叱るよりも、「良い」と思えることを先に言う方が、子どもも受け止めやすく、対応する大人の気持ちも落ち着くのではないでしょうか。
また、毎回お伝えしていますが、子育てについて悩むことがあったり、子どもの行動が気になったりするときは、誰かに話を聞いてもらったり、専門の相談機関に相談してみて下さい。
子育ては大変なことも多いですが、その中で「良かった」と思えることを増やしていきたいですね♪
宮前 麻矢 先生(児童福祉司・こども家庭局こども家庭センター課長)
2020年度より、神戸市こども家庭局こども家庭センター課長として、子どもや家庭への支援に関する業務に携わる。2児の母として子育てを経験。子育ての困りごとへの対応や子どもと関わり方などについて、コラムを執筆予定。