2023年12月08日

「こべっこ発達専門チーム」によるモデル事業が垂水区・西区で始まりました!

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0~2歳

3~5歳

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 これまでのコラムでは、神戸市の子どもの発達相談支援体制や、私が勤務する療育センターについてご紹介してきました。今回のコラムでは、今年度から新たに立ち上げた「こべっこ発達専門チーム」によるモデル事業の取り組みについて、詳しくご紹介します。

 神戸市には、お子さんの発達のことを相談できる場所はたくさんあるのですが、発達障害に対する社会の理解が徐々に広がってきていることもあって保護者の相談ニーズは高く、市の専門機関である療育センター診療所やこども家庭センターへの利用申込が多い状況が続いています。そのことによって、申し込みから相談までに、長くお待ちいただいていることが課題となってきました。

 この課題を解決するために、医師・保健師・心理士・福祉職の専門職で組織する「こべっこ発達専門チーム」が新たに発足しました。専門チームによるモデル事業として、垂水区と西区にお住いの未就学のお子さんを対象に、「発達二次健診」と「家族相談」を今年10月から開始しています。

 「発達二次健診」は、乳幼児健診(1歳6か月児・3歳児)で、医師や心理士から発達面でのフォローが必要と判定されたお子さんの中から、区役所の保健師が個別にご案内をしています。発達二次健診の案内を受けたお子さんには、専門チームの医師が、別の日に区役所でさらに詳しい健診を行います。

 「家族相談」は、初めて西部療育センター診療所やこども家庭センターへの相談を考えている、1歳から就学前までのお子さんを対象とした相談を実施しています。こちらは、保健師または福祉職が保護者からお話を伺い、その間に心理士がお子さんと遊びながら様子を見させていただきます。

 発達二次健診・家族相談いずれも、専門チームの職員がお子さんの発達状況をふまえた助言などを行い、お子さんやご家族の状況に合わせた支援をご提案します。より詳しい診療や検査が必要な場合は、以前のコラムでもご紹介した西部療育センター診療所を含む専門の医療機関や、こども家庭センターをご紹介します。

 家族相談は、市のホームページに予約申込サイトがあり、スマートフォンで申し込むことができます。お子さんや保護者に関するいくつかの質問に答え、相談日時を指定すれば予約完了です。相談当日は保護者とお子さんで区役所にお越しください。詳しくは、以下のページに掲載していますのでご参照ください。

こべっこ発達専門チームへの相談 (外部リンク)

 今回のコラムでは「こべっこ発達専門チーム」についてご紹介しました。モデル事業が垂水区と西区で始まった理由は、私が勤務する西部療育センター診療所の初診待ちの期間が、他の機関と比べて長いという状況があったからです。モデル事業ということで、市内の地域を限定して行われていますが、事業の成果が出てくれば、今後は垂水区・西区以外の他の地域へも拡大していくという可能性も出てくるかもしれません。

 次回のコラムでは、「こべっこ発達専門チーム」によって、どのような効果が出てきたのかといったことなどについて、ご紹介します。

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加藤 威 先生

(小児科医・神戸市西部療育センター診療所長)

2015年の西部療育センター開設当初より、同センター診療所の小児科医として、子どもの障害の早期発見・早期療育を目指し、診察やリハビリテーションに携わる。神戸市の相談支援, 療育体制などについてコラムを執筆予定。

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