2024年07月12日
【子育てのヒント】子どもの健診
2年ぶりにコラムを担当させていただく、神戸市こども家庭局の三品と申します。
神戸市では、子どもの健やかな育ちを支えるため、病気の早期発見を目的としたさまざまな保健事業に取り組んでいます。
今回は、子どもの健診について、実施する意義や内容を紹介したいと思います。
子どもの健診(乳幼児健診)は、普段の生活では気づきにくい身体の異常や発達の遅れを早期に発見し、適切な治療につなげることを主な目的としています。
例えば、医師の診察では、聴診で呼吸や心臓の異常、触診で腹部や股関節の異常、視診で生殖器の異常などが発見されることがあります。身長の伸びや体重の増え方が標準の範囲内か、成長の指標の確認も大事なポイントです。
神戸市では、4か月児、9か月児、1歳6か月児、3歳児の健診を実施しています。今後、1か月児健診の費用助成も開始予定です。年齢によって健診の内容は異なり、例えば3歳児健診では、視力や聴力のチェックも加わります。頻度はまれですが、早期に治療が必要な病気が見つかることがあるため、定められた時期の受診を推奨しています。
区役所で実施する健診は、医師の他にも保健師や看護師、臨床心理士や栄養士など、多くの専門職が関わることで、みなさんが子育てでどのようなことに悩んでいるのかをきめ細かく把握し、相談支援を行う機会であると考えています。
そのため、神戸市の健診の受診票には、診察項目だけでなく、子育ての状況に関する質問も設けています。少し項目が多いですが、できるだけ全ての項目に回答いただきたいと思います。質問の中には、親のメンタルヘルス(うつ傾向など)に関する項目も含まれています。
子どもの健やかな成長には、親の健康も大事です。体の不調や家庭の状況で、子育てに影響しそうなことがあれば、乳幼児健診の機会も利用して遠慮なくご相談いただければと思います。
三品 浩基 先生
(小児科医・こども家庭局部長)
小児科専門医、公衆衛生学修士。2016年度より、神戸市こども家庭局家庭支援課の小児科医として、乳幼児健診や小児慢性特定疾病に関することなど、医療の分野から子どもの保健施策に携わる。子どもの病気の予防や早期発見について、コラムを執筆予定。