2024年10月11日

【子育てのヒント】小1の壁と中1の壁

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小1の壁
 子どもが小学生になった途端、保護者の就労に合わせて長時間預けられる保育所等と違い、放課後をどう過ごすかを各家庭で考えなればならないという「壁」に向き合うことになります。
 特に共働きやひとり親世帯にとっては仕事と育児の両立が難しくなり、働き方の変更を余儀なくされることがあります。

 

 そこで注目されるのが「学童保育」です。
 学童保育は、子育てと仕事の両立支援や、放課後における児童の健全育成を目的として、放課後、子どもたちが安心してすごせる場所を提供することで、神戸市では宿題の見守りなどの学習支援だけでなく、外遊びなど、子ども自身が楽しめる場づくりに取り組んでいます。
 近年ニーズが高まり、全国でみると1万8千人以上の子どもが学童保育に通えない、いわゆる待機児童となっています。しかし神戸市の学童保育には定員がなく、希望される方は全員が学童保育に通っていただけます。すなわち、待機児童は常に0ということです。

中1の壁
 中1の壁とは、学童保育関係者の間でささやかれている言葉です。小学校6年生まで学童保育で過ごした子どもの中には、友達と放課後に遊ぶ約束をしたことがない、自主的に進んで宿題をしたことがない、家で留守番をしたことがない、そんな可能性があります。
 しかし中学校へ進学した途端、放課後や土曜日の過ごし方をすべて自分で計画・実行しなければいけません。そのような子どもが、中学1年生になって、急に新しい環境に対応できるだろうかという心配を表した言葉です。もちろん子どもの育ちには違いがありますので、みんなが「壁」に当たるわけではありませんけれども。

 

 そのような「中1の壁」に当たらないようにはどうすればいいのでしょう。
 それは、4年生ぐらいから少しずつ自立を促すために、自分で計画し実行できる放課後の暮らしを経験できるようにすればよいです。簡単に言えば、学童保育離れを経験できるようにしていきましょう。最初はうまくいかないかもしれませんが、少しずつ適応していくことを見守りましょう。5年生・6年生の2年間を自立の期間としてゆったり構えて過ごせていけばいいですね。

 

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前川 義弘 先生

(教員・こども家庭局こども青少年課課長)

小学校の校長として勤務した経験を活かし、2022年度からは、こども青少年課課長として、子どもの放課後の居場所づくり等に携わる。教員として勤務したのちに、公認心理師の資格を取得し、子どもたちの気持ちに寄り添った指導を行う。神戸の小学校の特性や学童保育事情など、小学生の育ちに関するコラムを執筆予定。

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