2024年11月22日
【子育てのヒント】自分の心の状態と向き合ってみよう
アメリカでは医療保険制度が違う事もあり、病院に行くハードルが日本より高いので、病院に行く機会が急激に減りました。それとともに自分の健康状態は自分で管理する必要があるので、日本にいた時よりも自分の心の状態と向き合う様になりました。
今、自分が弱っているか、元気な状態か。それを見極めるだけでも、どう過ごしたらいいかなどの解決の糸口は見えてくると思います。我が子達も学校でその日の気分をチャートで示したりすることもあるらしく、とてもいいツールだと思っています。
海外生活では文化の違いや言葉の違いから、自分を追い込む日も日本にいる時よりも増えたような気がします。休みたいけど休めない、特に親は子ども優先で生活している事が多いので無理しやすい傾向があります。気が付かないまま無理をして、それゆえに、自分を上手くコントロールできない日もあります。
そんな時に私がしている方法をお伝えしたいと思います。
イライラが増えた時、怒りっぽい時、なんだかとても不安な時は、最近の生活の中で何が変わったか考えます。子どもの状態、私の状態、仕事などの状態はどう変わったか、何か改善できない事はないか考えます。また、時間に追われているようであれば、今やらなければいけない事を書き出して、消せそうなタスクは消す様にしています。そうすると、少しだけ心に余裕が出来ます。焦っている時に限って、あれもこれも予定を追加してしまうので、自分で自分を苦しめない様に頭の中を整理する様に心がけています。
ただ、時間がなくても自分が心地よく感じているタスクなどは残す様にしています。心地よいと感じられる時間を1日の中に少しでも作れたら、いい気分転換になると思います。
最近、メキシコ出身の友達と話している時に気づいた事があります。アメリカに来てからの方が忙しいながらも心の余裕がある気がすると話していた所、『リラックスの仕方を覚えたんじゃない?』と言われてハッとしました。心のあり方などは、学校で勉強する課題ではないし、何が良くないか意識をしないと改善は難しいかもしれません。でも少しの心がけで大きな変化をもたらすので意識を変えてみるのが大事だなぁと痛感した出来事でした。
井窪 薫 先生
(精神科医・4児の母)
精神保健指定医、産業医。6歳、4歳、3歳、2歳を子育て中。長女の子育て中に大学院に通い、医学博士を習得。現在はアメリカで児童精神医学を勉強中、日本とアメリカの子育ての違いや共通点など、自身の経験をもとにコラムを執筆。