2025年02月28日
【子育てのヒント】言葉の刃について考える

以前、2023年のこどもっとKobeのコラムで『魔法の言葉』というコラムを書きましたが、今回は言葉の刃についてお話したいと思います。
「家族でみんな仲良く」というのをスローガンにしている私ですが、もちろん毎日いい状態が保てているわけではありません。夫婦喧嘩もあるし、姉妹達の喧嘩に怒る事も沢山です。大人の喧嘩を子供の前で見せないようにする、という事に気を付けてきましたが、今回それを実行し、後悔したお話を書かせて頂きます。
夫婦喧嘩というものは、始まりは些細なきっかけに思います。ただそこに、体調のコンディションや日々のうっぷん、仕事のタスクの多さなども絡まるとたちまち大きな嵐を引き起こしてしまいます。我が家も今回、始まりはお弁当の作成からでした。いつもは夫が作るのですが、長男の夜泣きで早く起きた私が作ると、やり方が違うなど口論になりました。
私は睡眠不足でいいコンディションではなく、また夫も仕事のタスクに追われている時期で、お互いの意見を譲れるような環境ではないので、たちまち嵐となりました。嵐の収まりも台風のように喧嘩の大きさによってバラバラですが、その日は大型の台風に見舞われ3日間ほど続きました。我が家は家族が6人いて基本的にバタバタしているので、子供達が親の台風に気が付かない日もあります。
しかし今回は、私が禁断の一言、「ママかパパかどっちと暮らす?」と子供たちに質問を投げてしまいました。たちまち姉妹の中で話し合いが始まり、「私はママ」「私はパパ」など次々意見が出て、最終的には「離れたらもう会えないの?」という意見が出ました。怒りが収まりきらない私は「そうだね」なんて返事をしてしまいましたが、子供達は「ふーん」とだけ言って、比較的あっさりとしていました。ちょっと予想外の反応に驚きましたが、「あまり分かってないんだな」なんて思っていました。
それから、学校に送迎し、数時間が立ってお迎えの時間になりました。珍しく次女が、車の後部座席に座りました。家について車から降りようとすると、次女が声も立てずに泣いていました。それを見て、長女が「次女は悲しいんだよね」って代弁しました。その時のショックの大きさは計り知れません。「やってしまった」という後悔と共に、言葉の重さを思い知りました。「子供は小さな大人ではない」というように、いくら体が大きくなってきて、大人のような振る舞いをしても、子供の心は脆く壊れやすいんだ、という事を改めて痛感しました。そして、二度と口にしないと誓いました。
「言葉の刃」については最近、ニュースなどでも頻繁にテーマになっています。何気ない一言が誰かを傷つけていないか、この機会に一度、考えてみませんか?

井窪 薫 先生
(精神科医・4児の母)
精神保健指定医、産業医。6歳、4歳、3歳、2歳を子育て中。長女の子育て中に大学院に通い、医学博士を習得。現在はアメリカで児童精神医学を勉強中、日本とアメリカの子育ての違いや共通点など、自身の経験をもとにコラムを執筆。