2025年04月25日
【子育てのヒント】育児書との向き合い方

有難くもこのコラムを書かせて頂き、もうすぐ5年が経とうとしています。当時10か月だった三女もこの夏で5歳になる予定で、月日の流れを感じます。
このコラムは当初から、こどもっとKOBE(以前のママフレ)さんのご厚意により、私の好きなお題で書かせて頂いています。
見返して読むとこの5年の間にコロナ禍もあり、世の中の流れを見ながら必要な情報を書いたコラムもありますし、私の子育て奮闘記だったり、今見ると恥ずかしいコラムも沢山あります。でも、それもまた私の子育ての記録であり、子育てとは理屈だけでは語れないと痛感します。
4人の子供を育ててきて、順調に子育てが出来ている、と感じる日もあれば、自分の子育ての仕方が悪いのではないのか、と思う事も沢山ありました。不調に感じる時でも、止まることなく続くというのが子育ての辛いところでもありますが、育児に迷ったときに書店で育児書を購入する人も多いのではないでしょうか?
私もその一人ではありますが、書店に行くと、『怒らない子育て』『この声掛けで子供は育つ』など沢山の育児本が目に入ります。もちろん有益な情報も沢山あるのですが、それらを見ると、私は『自分がよい子育てを出来ているのだろうか』、なんて不安に駆り立てられたりします。
でも、それらは一つのメソッドであり、そうしなければいけないと感じる必要はないと思っています。もし、何か取り入れられる事があったら取り入れようかな、そんな気持ちで読むくらいが丁度いいと思います。もし、みんなが本のやり方で子育てしていたらどうでしょう? それはロボットが子育てしているような感じで、温かみも個性もない様に思います。
私が言いたいのは、それぞれの家族のやり方があり、いろんな子育ての方法があっていいと思っています。
子供を持つといっても、子供の個性、家族構成、兄弟の数など、みんな違って当たり前なので、本の通り進める必要などなく、良い所どりをして、それぞれの家族のやり方を見つけていくのがよいと思っています。
人間なので思い切り泣く日があっても、思い切り叱る日があってもいいのです。特に産後はホルモン変化もあり、感情のコントロールが難しくなります。一緒に泣いて、笑って子供も親も成長していくと思っています。
是非、感情の揺さぶりを怖がらずに楽しんでみてください。そして書面の情報に惑わされず、出来る時にはしっかり愛情を伝えてくださいね。

井窪 薫 先生
(精神科専門医・4児の母)
2021年から神戸市の子育て応援サイトの専門家コラムを定期的に執筆。現在アメリカにて8歳、5歳、4歳、3歳の4人の子育て奮闘中でもあり、日本とアメリカの子育ての違いや共通点、親のメンタルヘルスの保ち方など自身の経験を基にしてコラムを執筆予定。