2023年11月01日
こどもの説明書
子育てを楽にする方法の一つとして、自分の子供の説明書を作るという事が大事だと思っています。我が家も4人子供がいますが、もちろん、それぞれ性格の違いがあり、姉妹でも全然違います。繊細な子もいれば、打たれ強い子もいます。声かけの方法も、その子に1番響くように、性格に合わせて言い方を変えたりしています。ポイントはしっかり子供の行動を観るという事でしょうか。
近年、発達障害というワードが一人歩きし、それに伴い「発達障害だから〜」みたいな話を聞く事も増えました。自分が精神科医療に関わっていて良かったと思う事は、発達障害というワードに戸惑わずに済んでいる事です。発達障害と診断することが重要なのではなく、1番大事な事は発達特性を知り、特性に応じた対応をする事です。
最近では、書店でも発達障害に関する本が増えてきており、どんな対応が適切か、などが書いてある本もたくさんあります。親が知識を持ち、過度に不安がらず、子供の1番の理解者になれたら、これ程強い事はないと思っています。
私は精神科医療を通して、発達障害がある子でも、工夫次第で十分、社会に繋がっていける様子を見てきました。「発達障害」と診断することは、それ自体が目的ではなく、個々の特性を理解することで、よりよい生活に繋げていく為の手段にすぎません。子供の特性を本人や親が理解し、出来る事や得意な事を生かして就職に繋げている子もたくさんいます。子供の可能性は無限です。親がその芽を摘まないように、大事に向き合ってあげてください。
※旧子育て応援サイト 2022年9月9日掲載分
井窪 薫 先生
(精神科医・4児の母)
精神保健指定医、産業医。4歳、2歳、1歳、0歳を子育て中。長女の子育て中に大学院に通い、医学博士、精神科専門医を習得。現在は兵庫県内で企業の産業医をしながら、精神科医の子育てアドバイスなどのセミナーも行っている。