2025年03月31日

「神戸は子育て全国1位!特に保育の質が高いらしい」どうして?どこがすごい?担当職員に聞いてみました

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 このたび、神戸市が2024年版の「共働き子育てしやすい街ランキング」(日本経済新聞社・日経BP)全国1位に選ばれました!妊娠・出産から学齢期までこどもの成長に応じた切れ目のない様々な支援が評価されました。なかでも特に、充実した教育・保育環境が高評価のポイントとなりました。

「共働き子育てしやすい街ランキング2024」神戸市が全国1位を獲得しました!

 

 これはとても気になるということで、2児を育てるおかんライターが神戸市の担当職員に話を伺ってきました。語ってくれたのは幼保振興課の藤田さん、幼保事業課の福原さん、安井さんです。

幼保振興課の藤田さん、幼保事業課の福原さん、安井さん

待機児童0がすごい!

藤田さん:神戸市では、質・量ともに充実した教育・保育環境を整えています。量の面では、待機児童対策に取り組み、3年連続待機児童0を達成しています。

おかん:3年連続はすごい。維持できている理由は何でしょうか?

藤田さん:受け入れを増やすために、民間の幼稚園・保育園とも協力しながら、認定こども園への移行を推進してきました。認定こども園では、保護者の就労状況等によらず柔軟にこどもを受け入れることができます。認定こども園への移行は、他都市と比べても進んでいます。

おかん:受け入れ枠が増えるということは、保育士さんの数も必要となってきますよね。
そのあたりの対策もされているのですか?

人材確保・定着支援がすごい!

藤田さん:はい、保育士・幼稚園の先生に神戸市の施設で働き続けてもらえるよう、市内で保育士・幼稚園教諭として働く方を「6つのいいね」で応援しています。「6つのいいね」では6つの支援策を展開しており、例えば、市内の私立保育園・幼稚園等に保育士や幼稚園教諭として採用された方に、7年間で最大160万円の一時金を支給したり、月額最大10万円の家賃補助等を行っています。奨学金の補助パートとして復帰する際の一時金もあります。

「6つのいいね」の神戸で保育士・幼稚園教諭になろう。 (外部リンク)

教育・保育の質がすごい!

おかん:福原さん、安井さんは保育士でもあるんですね。

福原さん:はい、私は主に障害児保育の経験が豊富な保育士や作業療法士、言語聴覚士などの専門家と共に園を巡回し、発達が気になるお子さんへの対応について助言等指導を行っています。

安井さん:私は研修を担当しています。神戸の大きな特徴として公立と私立が合同で研修を実施していることがあげられます。神戸大学の北野幸子先生を中心とした乳幼児保育研究部会を立ち上げ、公立私立問わず、一緒に学ぶ場をつくっています。神戸の未就学児施設で働いている人全体でキャリアアップを行っているんですよ。

また神戸市では保育所や認定こども園、幼稚園が合同で0〜2歳児の公開保育も行っています。
小さい子どもたちは知らない人が身近な空間にくることに抵抗があり難しいのですが、それをライブモニターで行うことで実現しています。

モニターを見ながら保育士の関わり方やこどもの様子での気づきなどを語り合います。受講者は公立・私立の先生で、他の施設の取組等、情報交換が行える場となっています。これも珍しいことです。

藤田さん:教育・保育の質という面では、神戸の山や海等の豊かな自然環境を活かした特色ある教育・保育をされている施設も数多くあります。また、現場ではICTの導入等によって働き方改革の取り組みも進んでおり、保育士や幼稚園教諭の負担が少なくなることで、こどもと向き合う時間が増えたという声も聞いています。こうした取り組みも教育・保育の質につながるものです。

★ここで特色ある神戸のふたつの園をのぞいてみましょう★

ICTを利用した働き方改革で仕事の効率アップ、さらに保育の質も向上!西須磨幼稚園

西須磨幼稚園で利用しているスケジュールシート

2015年に幼稚園から幼保連携型認定こども園に移行し、園児や先生の数が増え(現在は教員90人園児は320人)保育士の働き方も多様化したのをきっかけにGoogleを利用した情報共有方法を導入、全員が定時で帰られるようになったという西須磨幼稚園。

 

副園長の船瀬さん:まず全ての仕事を可視化しました。そして毎日の業務は10分ごとのスケジュールシートに落とし込みました。その通りに進捗すると、行事の準備や園便りの作成など、全ての仕事が定時で終わるようになっています。

おかん:時間内に仕事が終わらないこともあるのでは?

副園長の船瀬さん:これまでの経験から標準的に終われる時間に設定されています。時間が限られているからこそ、効率も上がります。また、複数の先生が同じ時間に同じ仕事をすることで、グループの成果が上がることも分かってきました。

西須磨幼稚園の写真

教室の空き状況まで組み込まれ、待ち時間なども排除。効率的な休憩の取り方まで計算されつくしたスケジュールにはフリー時間という項目も。

 

副園長の船瀬さん:徹底的に無駄を省くことで生まれたフリー時間では、自分のしたいことに使ってもらう時間にしています。より良い行事を行うには等の話し合いの時間に充てることで、教育・保育の質を高める時間になっています。

おかん:Googleを活用しているのもこだわりなんですか?

副園長の船瀬さん:アプリなど既に出来上がっているものは便利ですが、Googleは誰でも使えて汎用性があります。あえて既存のものを使わなかったことで、先生たちが自らシステムをつくり出すようになったんです。

 

行事後に反省会を行うのではなく、思いついた時に記入して共有できる「行事リアルタイム振り返りシート」や人手が欲しい時間帯を表示、手伝える人は30分なら手伝えますなど、サポート時間をマッチングさせる「HELP!ME!シート」など業務改善への自主的な取り組みが行われているのだそう。

 

副園長の船瀬さん:本来保育や教育とは「自ら課題を見つけ、解決していく方法を考えること」だと思います。子どもたちに0から1を生み出すように指導しても先生たちがそれができないと伝わらない。業務改善は、教職員と子どもたちの創造性の育成にも役立っています。

学校法人 西須磨幼稚園 (外部リンク)

毎日が自然の中、ゆるやかな交わりで心を育む 幼保連携型認定こども園おっこう山

幼保連携型認定こども園おっこう山の写真

園のまわりを見渡すと、畑に田んぼ、池に森、その向こうには園内のプレイルームからも見える雄岡山がそびえ立ち360度、自然の中におっこう山の園があります。

 

園長の吉田さん:自然体験に行くのではなくおっこう山の子どもたちは、暮らしの中に自然があるんです。5歳児は雄岡山に登山に行きます。30分かけて山道を歩いて行くんですよ。

 

この日は連日の寒波が少し緩み、園庭のすぐ隣にある畑では子どもたちが遊んでいました。両手に落ち葉を抱えて雪のように散らして遊ぶ子どもたち。目があったら「こんにちは!」とちぎれんばかりに手を大きく振ってくれるその横で、先生たちの笑顔もキラキラ輝いていました。

幼保連携型認定こども園おっこう山の写真
幼保連携型認定こども園おっこう山の写真

創立50年以上の認定こども園おっこう山は、地域住民との関わりも深いという。

 

理事長の総毛さん:田植えもすぐそこの田んぼでやるんです。地元の人が協力してくれ、夏にはカカシづくり、秋には稲刈りも。5歳児はカマを使って刈るんですよ。秋には隣の畑で収穫したサツマイモを使って焼き芋をします。こどもたちにお米にはムダがなかったねと言って刈ったお米のもみがらで焼くんです。収穫したお米をおにぎりにして食べると、美味しい笑顔が広がり目をキラキラ輝かせています。

 

園庭を案内してもらうとすぐ隣にはグループホームがあり、おじいちゃんおばあちゃんがこどもたちの遊ぶ姿を眺めることもあるんだそう。

 

園長の吉田さん:おじいちゃんおばあちゃんたちもこどもを見ると笑顔になるんですよ。時にはこどもたちと一緒にふれあい遊びをすることも。様々な年代の人がお互いに尊重し合い、助け合う幼老共生もめざしています。

 

おおらかな自然に囲まれ、様々な年代の人たちがゆるやかに交わるおっこう山で子どもたちは、体だけでなく心も大きく育っているようでした。

幼保連携型認定こども園 おっこう山 (外部リンク)

全国ナンバーワンのその先へ 神戸らしい保育とは

幼保振興課の藤田さん、幼保事業課の福原さん、安井さん

おかん:今後考えている施策やメッセージなどお聞きしたいです。

福原さん:保育の仕事は元気をもらえる仕事、子どもの基礎をつくっていく素晴らしい仕事です。また、日々成長する姿からは感動ももらえる尊い仕事。ぜひ憧れの職業の一つとして選択肢に入れてもらえたら嬉しいです。

安井さん:学ばせてもらえる仕事だと思います。特に神戸の保育は先生みなさんひとりひとりの意識が素晴らしい。自分の課題はみんなの課題、共有してみんなで考えていくという姿は全国に誇れると思います。ぜひ、全国ナンバーワンの神戸で一緒に保育を考えていきましょう。

藤田さん:神戸には幼稚園の先生や保育士を目指す学校もありますし、先生たちを応援する制度もある、神戸で学び・働き、神戸の豊かな自然環境で保育を行う。そんな神戸ならではの魅力も伝えていきたいですね。

 

ナンバーワンのその先へ、まだまだ変わる神戸の教育保育にこれからも注目していきたいと思います。