2023年11月01日

乳幼児にとっての「学び」【乳幼児の教育・保育について】

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乳幼児の教育・保育について

 乳幼児期における教育は、子どもの自由さを基盤とした自発的かつ主体的な活動である「遊び」から得た様々な経験を通じて生きる力の基礎を培うことを目的としています。「遊び」こそが、この時期の「学び」であり「学習」なのです。

 そして、「遊び」が、この時期の成長にふさわしい「学び」を獲得するのに最も効果的な活動だということは、世界中の共通認識であり、当然日本においても、乳幼児期は「遊び」が「学習」であるということ、そして、乳幼児期の教育・保育は、“「遊び」を通しての指導を中心に行う”こと、とされています。

 親の願いは、我が子が一生幸せでいてほしいというものです。これからの時代をどのように生きていってほしいのか、それを考えることが「乳幼児期の教育」を考えることにつながります。

 今や、感染症や災害など、どのような困難が起こるかわからない時代です。神戸市においても、阪神淡路大震災という未曾有の経験があります。一方でAIやIoT等のデジタル革新において、今ある仕事のほとんどがコンピューターに奪われてしまう未来がやってくるともいわれています。ここ数年でも世の中は大きく変化し、想像もしなかった時代が訪れています。これからの「乳幼児期の教育」を考える上では、この予測不可能な時代に子どもたちにどのような力を培えば、幸せに生きていくことができるのか?ということがとても大切な視点です。

 どのような困難な時代でも、前向きな喜びを見出し、生まれてきてよかったと思える人、例えば大きな災害があっても、人に助けを求め、人を助けることに喜びを見出せる人、自分の欠点も含めて自分のことが好きだと思える、周りの人の良さを認め、人とつながることを喜べる人、そうやって笑顔で生き抜いていける人に育ってほしいものですね。私たちは、「予想外の事態を乗り越えながら、自らの人生を切り拓き、より良い社会づくりに貢献していくことができる人」を育みたいと考えています。

 こうして書くとすごい理想のように思われるかもしれませんが、乳幼児期の教育・保育の現場では、子育てをしているお父さん、お母さんが、頑張っている自分をほめながら、時には人に頼り休みながら、子どもの声に耳を傾け、大切に愛情豊かに関わることで、自分のことを大好きだと思える子どもに育つようお家の方を応援しています。
また、そのように生きていくための「生きる力の基礎」を培うために、日本では乳幼児期に育みたい資質・能力として、以下の3つがあげられています。

  1. 「知識及び技能の基礎」
  2. 「思考力、判断力、表現力等の基礎」
  3. 「学びに向かう力・人間性等」

 この3つの資質・能力が「遊び」を通して育まれるように、日々取り組みを行っています。

 簡単な例をあげると、友だちと鬼ごっこをしながら、走り方などの①を身につけ、どう逃げたらいいのか、右に行くか、左に行くか、止まるかなどを考えながら②を身につけ、鬼になってしまってもなれなくても、思うようにならないことを我慢して、遊び続けたら楽しかったり、友だちと協力し合ったり、友だちの良さや自分の良さに気づくことを通して③を身につけていきます。

 日常の乳幼児教育・保育の現場で、「遊び」の中から、このような資質・能力が総合的に育まれている子どもたちの姿をご覧いただき、一生幸せに生きるための乳幼児期の教育とは何かをご理解いただければ、と考えています。

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