2023年11月01日

寄り添った支援

相談する

妊娠・出産

丸山佳子先生の紹介画像

 新しい命を授かるということは、尊く、神秘的で喜ばしい出来事です。そして妊娠・出産は、母親にとって人生の大きなライフイベントとなります。

 でも、同じ体験をしても、すべての方が同じように感動や喜びを感じるとは限りません。喜びのその裏で、妊娠が判明したことで、戸惑いや悩み、不安を抱える方もいます。出産を心待ちにしているときに流産や死産で赤ちゃんを亡くされた場合、その悲しみははかり知れず、周囲の人もとても胸が痛みます。妊娠することが難しい場合は、不妊治療など妊娠までの道のりが心理的にも経済的にもしんどくて、「正直、妊娠がゴールのように思えた。その後に待っている出産や子育てまで想像できなかった」といったお声も耳にします。

 喜びや悲しみを誰かとわかち合いたいという気持ちになったとき、みなさんは誰に話しますか?家族や身近な人ですか?それとも、信頼できる専門家ですか?

 妊娠・出産・子育てという大きなライフイベントに際し、ちょっとした疑問や心配ごとを相談ごとできる人が欲しい時はどうでしょうか?お祖母さん?それとも、パートナーさん?

 妊娠するまで・妊娠中・出産後の一連の時期に、「どうすればいいんだろう」「誰に聞けばいいんだろう」と悩みごとや心配ごとがあるとき、神戸市にも相談できるところがあります。

 みなさんがお住まいの地域の区役所・支所の保健福祉課には、保健師や看護師がいて、妊娠・出産・産後の子育てに関する相談をお受けしています。各区、地区ごとに支援のためのチームを作り、それぞれの地区を担当する保健師がご相談に応じます。相談の内容に応じて、市の制度やサービスが使えるように調整したり、地域の医療機関や助産師、保育施設等の関係者とも協力して、みなさんからの相談ごとが解決するように支援させていただいたりしています。
 こういった相談場所は、「もっと深刻な人が相談する場所じゃないの?」と思う方もいるかもしれませんね。大丈夫です。些細なことでも構いませんので、ひとりで抱え込まず、安心してご相談ください。

 また、令和5年3月1日からは、国の「出産・子育て応援交付金」を活用して、経済的支援や相談支援を行う「妊娠・出産・子育て寄り添い支援事業」が始まりました。現在、妊娠届出時と新生児訪問時に、すべての妊婦さんや新生児のいる家庭のご相談をお聞きしていますが、この事業の開始により、新たに妊娠8か月頃にも、保健師に心配ごとなどを相談できるようになります。
 出産を間近に控えて不安な方、妊娠経過に異常が認められた方、妊娠が継続できなかった方、さまざまなご相談に対応できるよう、妊娠6~7か月ごろに面談の希望をお伺いします。ご自身のコンディションに合わせてご希望ください。

 その他にも、神戸市には、内容にあわせて相談できる場所がたくさんあります。このコラムで紹介している相談先を覚えておいて、ご自身が困ったときに連絡してください。また、周囲で困っている方がいるときに伝えてあげてください。

(参考)

ご出産を望まれる方へ (外部リンク)

予期せぬ妊娠SOS相談 (外部リンク)

流産・死産で赤ちゃんを亡くされた方へ (外部リンク)

妊娠・出産・子育て寄り添い支援事業 (外部リンク)

子育てや子どもの相談 (外部リンク)



※旧子育て応援サイト 2023年3月10日掲載分

丸山佳子先生の写真

丸山 佳子 先生

(保健師・こども家庭局家庭支援課担当課長)

2022年度より、神戸市こども家庭局母子保健担当課長として、妊婦健診・乳幼児健診をはじめとした、思春期、妊娠から出産、乳幼児の子育てなどに関する母子保健施策に携わる。妊娠期やお子さんの乳幼児期に利用できる行政サービスについて、コラムを執筆予定。

丸山 佳子先生のバックナンバーはこちら

専門家コラムのバックナンバーはこちら